サイトで掲載中「Fly Again」のサイドストーリーみたいな。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「なんだかんだ言ってさ」
宝石を散りばめたような星空。虫が音を奏で、風がそれを運ぶ。昼間はそこまでなかったのに、夜はこんなにも冷え込む。まるで砂漠のようだ。
だが、ここは砂漠どころか異世界。樹木もあれば水分もあり、砂漠ほど暑くもないのでそこは救われているが。
シヴィルとリールは既に寝息をたて、ロリィもさっき眠ったようだ。今起きているのは麗とヴィスウィルだけ。
麗は長い沈黙が続いたので、思わず話し出す。
「ヴィス兄弟、仲いいよね」
「は?」
「カティさんもヴィスもシヴィルも。ていうか、アスティルス家が仲いいのかな」
「いきなり何・・・」
「なんとなく思ってさ」
そんなに長い付き合いをしているわけでもないが、これまでヴィスウィルと旅をしてきて、なんとなく思った。多分、お互い信頼している。でなければ、今頃国の心配をして焦っているはずだ。焦っていないといえば嘘になるのだが、それでも平静を保てるのは、どこかでシヴァナが国をどうにかしてくれていると確信しているからだ。
「別に、普通だろう」
「まぁ・・ね」
「お前たちが仲悪いわけではないんだろう?」
「私たち?」
「ああ」
「あぁ、私の家族ね」
つい、咲哉のことを思い出してしまった。ヴィスウィルには咲哉のことしか話していないので家族のことを聞かれるなんて思ってなかったのだ。
「仲悪いわけじゃないけど、ヴィス達の関係とはちょっと違うよ」
「何が・・・」
「世界が違うからかな。ヴィス達は国を守ろうとすごい協力しあって、それが絆になっているって感じだけど、私の世界の仲がいいっていうのはただ、みんなで笑って、なーんにもないのがいいの」
「・・・・・・」
「あはは。ヴィスには難しかったかもね」
戦いや争いが普通のこの世界とはどう相成っても埋めることのできない隙間。麗の世界は平和すぎて、だからこそ何にもないことが幸せ、なんて言える。みんなが笑っていられる、なんて言える。麗はそう思った。ヴィスウィルには到底想像のつかないことなんだろう、とそう思った。
「それは、どの世界でも一緒だ」
「え?」
「確かにお前の世界とこの世界は違う。お前の言う、絆っていうのもお前の世界の家族にはそこまで意識されてないのかもしれない。でも、みんなが笑って、何もない日常なんてどの世界にいっても望まれていることだ」
「・・・・・・・・」
少しずつ埋まっていく隙間。
「そっか・・・」
「それに、俺たちは仲がいいというより、親父にいいように使われているだけだ」
「今更何言ってんのよ」
「逆らったら何されるか分からない」
「・・・・・・苦労するのね、あんたも」
きっと、自分でも分かっていない。
自覚が芽生えたところで、肯定するような奴でもない。
カティはもう大人だから、気づいているのだろうが、ヴィスウィルやシヴィルはまだまだ気づくのは先になるだろう。もしかしたら、シヴィルの方が先に気づくかもしれない。
宝石を散りばめたような星空。虫が音を奏で、風がそれを運ぶ。昼間はそこまでなかったのに、夜はこんなにも冷え込む。まるで砂漠のようだ。
だが、ここは砂漠どころか異世界。樹木もあれば水分もあり、砂漠ほど暑くもないのでそこは救われているが。
シヴィルとリールは既に寝息をたて、ロリィもさっき眠ったようだ。今起きているのは麗とヴィスウィルだけ。
麗は長い沈黙が続いたので、思わず話し出す。
「ヴィス兄弟、仲いいよね」
「は?」
「カティさんもヴィスもシヴィルも。ていうか、アスティルス家が仲いいのかな」
「いきなり何・・・」
「なんとなく思ってさ」
そんなに長い付き合いをしているわけでもないが、これまでヴィスウィルと旅をしてきて、なんとなく思った。多分、お互い信頼している。でなければ、今頃国の心配をして焦っているはずだ。焦っていないといえば嘘になるのだが、それでも平静を保てるのは、どこかでシヴァナが国をどうにかしてくれていると確信しているからだ。
「別に、普通だろう」
「まぁ・・ね」
「お前たちが仲悪いわけではないんだろう?」
「私たち?」
「ああ」
「あぁ、私の家族ね」
つい、咲哉のことを思い出してしまった。ヴィスウィルには咲哉のことしか話していないので家族のことを聞かれるなんて思ってなかったのだ。
「仲悪いわけじゃないけど、ヴィス達の関係とはちょっと違うよ」
「何が・・・」
「世界が違うからかな。ヴィス達は国を守ろうとすごい協力しあって、それが絆になっているって感じだけど、私の世界の仲がいいっていうのはただ、みんなで笑って、なーんにもないのがいいの」
「・・・・・・」
「あはは。ヴィスには難しかったかもね」
戦いや争いが普通のこの世界とはどう相成っても埋めることのできない隙間。麗の世界は平和すぎて、だからこそ何にもないことが幸せ、なんて言える。みんなが笑っていられる、なんて言える。麗はそう思った。ヴィスウィルには到底想像のつかないことなんだろう、とそう思った。
「それは、どの世界でも一緒だ」
「え?」
「確かにお前の世界とこの世界は違う。お前の言う、絆っていうのもお前の世界の家族にはそこまで意識されてないのかもしれない。でも、みんなが笑って、何もない日常なんてどの世界にいっても望まれていることだ」
「・・・・・・・・」
少しずつ埋まっていく隙間。
「そっか・・・」
「それに、俺たちは仲がいいというより、親父にいいように使われているだけだ」
「今更何言ってんのよ」
「逆らったら何されるか分からない」
「・・・・・・苦労するのね、あんたも」
きっと、自分でも分かっていない。
自覚が芽生えたところで、肯定するような奴でもない。
カティはもう大人だから、気づいているのだろうが、ヴィスウィルやシヴィルはまだまだ気づくのは先になるだろう。もしかしたら、シヴィルの方が先に気づくかもしれない。
PR
この記事にコメントする